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歯磨きの時間や回数、磨き方について!新説の「食後30分後」はウソ!?
みなさん毎日歯磨きをしていますか?1日3回?2回?それとも1回だけ?
ご家族はどうでしょう…?お子さんがいる方でしたら、子供も歯磨きの習慣はついていますか?
「正しく歯磨きをすること」の大切さはわかっているつもりでも、実際の回数や頻度には様々な意見があり、どれが正しいのかわかりにくいですよね。
また、どのくらいの時間磨くのがベストなのかあまり知らないままなんとなく磨いている人もいるようです。ブラッシングの仕方を指導されることはあっても、大人になると歯磨き時間を指示されることはあまりないですよね。
1.歯磨きに必要な時間は最低3分!
歯磨きの時間は、最低3分間は磨きましょう!上下永久歯が生えそろっていれば、28本の歯がありますが、1本につき10~20回小刻みに動かしていると3分間を下回ることはありません。
また、電動歯ブラシであれば30秒や1分ごとに振動で時間が分かるものがありますので目安になります。
子供の場合、夜は仕上げ磨きをプラスしましょう。小学校に上がるとやめてしまう方も多いですが、6歳臼歯が生えてきて、上手に磨くのが難しい時期なので、仕上げ磨きは必須です。
ウチでは時間の目安に砂時計を置いて、長く磨くようにクセを付けさせました。
2.長すぎる歯磨きはダメ!
歯磨きの最低時間は3分ですが、長く磨けば磨くほど効果があるのでしょうか?実は、長く磨きすぎると、歯を傷つけてしまう危険があり、おすすめできません。
歯磨きしすぎると、歯のエナメル質は削れや傷がついてしまいます。「歯磨きくらいで…」と思うかもしれませんが、磨きすぎも知覚過敏の一因となります。これは決して特別な例ではありません。
このことは、子供の歯磨きでも注意しなければなりません。力加減が分からず、ゴシゴシ磨いていませんか?子供の力であっても長時間磨くと影響がでます。親御さんが「虫歯にしないために」と、仕上げ磨きを頑張りすぎて、エナメル質に傷を付けてしまうこともあります。
歯磨きの目的は、プラークを落とすことです。うがいでは落ちづらいですが、100~150gくらいのブラシ圧で1本の歯を10~20回磨く程度で落とすことができ、長時間歯磨きする必要はありません。
3.歯磨きのタイミング「食後30分後に磨くといい説」はウソ!?
テレビやネットなどでも「食後30分は歯磨きをしない方がいい」という説を聞いたことがあります。実はコレ、本当でもあり、ウソでもあります。なぜなら、口の中の環境は人それぞれですから、この説が当てはまる人もいれば当てはまらない人もいます。
そもそもこの説は、食後の口内環境に由来しています。食事をすると、口の中にいる細菌が食べ物に含まれている糖をエサにし口の中を酸性に変えます。すると歯のエナメル質がとけ出しやすくなる脱灰(だっかい)が起こり、歯が傷つきやすい状態になってしまうそうです。この状態は時間とともに口の中がアルカリ性に戻ることで、再び硬いエナメルになっていくそうです。
そのため、酸性の飲食物や胃酸などによって歯のエナメル質が薄くなる「酸蝕症」の人は、食後30分~1時間はエナメル質がもろくなっている可能性大。そのため歯磨きを避けた方がいいのですね。
ですが、大半の人は、この酸性の時間を短くするためにも早く歯磨きをして口腔内の糖を取り除くことの方が大切で、歯の健康のためにも効果的です。つまり今歯に問題がないのであれば、食後すぐに磨くのがベスト!
これは日本小児歯科学会のHPにも掲載されています。
http://www.jspd.or.jp/contents/gakkai/information/2012_01.html
4.歯磨きの回数は?
食後はすぐに磨くべき、ということは3回の食事ごと、つまり1日3回が正しい歯磨き回数なのでしょうか?昼は外出していたり仕事中であったりして磨けないこともありますが、実は重要なのは昼食後の歯磨きではないのです。
少なくとも朝と夜の2回磨くことは必須ですが、歯の健康のためには、歯磨きをする時間帯も大きく関わってきます。夕食後の歯磨きもさることながら、一番大事なのは「就寝前の歯磨き」です。
眠っている間には歯垢が増えやすく、口の中の細菌が繁殖しやすくなっています。朝の口臭やネバつきがあるのはこのためです。就寝前に食べかすをもう一度きれいに磨き、細菌の繁殖を抑えることで虫歯になりにくくなります。
それでも細菌の繁殖を完全に抑えることは不可能ですから、起きてすぐの口の中はネバネバしています。夜に溜まった歯垢を落とし、口をスッキリさせてから朝食をとり、その後にもう一度磨くというのが理想です。
つまり、重要度でいくと ①就寝前⇒②寝起き⇒③各食後(三食) の一日5回が理想ってことになります。
5.まとめ
歯磨きの回数は2回~5回
優先順位は 寝る前⇒起床⇒食後
磨く時間は3分以上
食後はすぐに磨く!
6.おまけ
最後に、歯磨きの方法やタイミングなど、残念ながら時々新しい説が出てくることがあります。今まで正しいと思ってやってきたことが否定されるとハラがたちますが・・・怒ってもしようがありません。新しい説を耳にしたら頑張って情報収集しましょう!よく調べることは大事です。
そしてなんといっても定期的に歯医者さんで検診してもらうことをお忘れなく!