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信頼関係を築くコーチングの基礎

コーチングとは、部下の指導・育成手法の1つ。コミュニケーションスキルを使って、部下の意欲向上や目標達成の支援を行う。

今回のコーチング技法を学ぶことで、「部下・後輩とのやり取りで失敗している!」「思い通りに部下・後輩が動いてくれない!」など部下・後輩とコミュニケーションが上手に取れていない課題のヒントを得ていただければと思います。

○コーチングの基礎スキルを理解する

冒頭記載しましたがコーチングとは、部下の指導・育成手法の1つ。コミュニケーションスキルを使って、部下の意欲向上や目標達成の支援を行います。よって部下・後輩の意欲向上や目標達成がなされなければ意味が無く、成果志向の高い育成手法となっております。

 

■「コーチング」と「ティーチング」との違い

「コーチング」の話をしていると、「ティーチング」と混在している方がいるのでその違いを認識することから始めましょう。

コーチングティーチング
対象者一人前新人
主体部下・後輩上司・先輩
目標自走完走
指導方法質問する指示を出す
関わり方考えさせる行動させる

【コーチング】

⇒コーチングの対象者は、一人前の仕事が出来るレベルの方となり、今のレベルより1段階上にステップアップさせることが目的となります。一人前の仕事が出来るので、質問をして部下に、考えさせ、答えが出たら新たに質問し自走させ続けることがコーチングの手法となります。

【ティーチング】

⇒ティーチングの対象者は、業務知識の無い方となり新入社員・中途入社社員となり、一人前の仕事が出来る様にするのが目的となります。業務が出来ないので、上司指示して作業をさせ、仕事が出来る様になったら完走となるのがティーチングとなります。

よってコーチングの対象者は、限定されてしまうので万能の育成手法とは言えない!

 

■成果に繋げるため

コーチングを成果につなげるために「部下との信頼関係を高めること」「部下の自発的な行動を促すこと」の2つが挙げられます。

【部下との信頼関係を高めること】

⇒部下との共感を示しながら、部下の話に傾聴する。時には、承認をして部下の意欲を高める働きかけを行う。

【部下の自発的な行動を促すこと】

⇒部下が深く考えるような効果的な質問をする。フィードバックを行い部下の気付きを促しながら、部下が自発的に動くための提案も行う。

○コーチングを成果に繋げる基本スキル

コーチングを成果につなげるために「部下との信頼関係を高めること」「部下の自発的な行動を促すこと」の2つのことが重要と記載しましたが具体的には何をするべきか!!

■部下との信頼関係を高めること

⇒部下との共感を示しながら、部下の話に傾聴する。時には、承認をして部下の意欲を高める働きかけを行うことを日常的に行いましょう。部下との信頼関係、一朝一夕で成しえず日々の信頼関係があって始めて、部下との信頼関係を高めることが可能となります。

そのための基本スキルとして

  1. 共感
  2. 傾聴
  3. 承認

1、共感

⇒部下の話に共感する姿勢を示します。生産性の高い職場は、心理的な安心感があります。心理的な安心感とは、責められたり怒られたりする心配のないことで、共感することで得られます。共感する例として、「うなずき」「アイコンタクト」「オウム返し」となります。

2、傾聴

⇒部下の話を集中して聴くことです。話を集中して聴く・・・簡単と思われるかもしれませんが、「最後まで部下の話を聴く」「非言語情報にも注意を傾ける」「部下の考える時間、沈黙をつくる」など、高い自制心が必要であり慣れないと難しい技術となります。

3、承認

⇒部下の考えを肯定することです。認められて嬉しくない人はいなく上司が承認することで、部下の自己肯定感が高くなりやる気や自発性が促されます。部下の変化・成長などの事実を言葉で伝えることです。

※コーチングにおいて「承認」と「称賛」の違いを理解しておきましょう。承認は、事実に対して正しいと認めること。称賛は、事実に対して主観・評価(=褒める)を加えて認めること。コーチングでは「承認」を使います。しかしコーチング以外の場では、しっかりと「称賛」を使い部下を褒める必要があります。

■部下の自発的な行動を促すこと

⇒部下が深く考えるような効果的な質問し、時にはフィードバックを行い部下の気付きを促しながら、部下が自発的に動くための提案を相談された時・プロジェクト時などに行うことで部下の自発的な行動を促すことが可能となります。

そのための基本スキルとして

  1. 質問
  2. フィードバック
  3. 提案

1、質問

⇒相談された時に質問することで、部下が話していることを自分で聞いて志向を活性化させることで、考えがまとまり・新しいアイデアが浮かぶことがあります(=オートクライン効果)。そして質問は、「はい!いいえ!で答えられる質問形式」(=クローズドクエッション)ではなく、「自由に答えてもらう質問形式」(=オープンクエッション)で質問するようにしましょう。

2、フィードバック

⇒部下の状態を感じたまま主観的に伝えます。部下の状態を客観的に話した後に『と私は思うよ。』と付け加えるだけで、部下には上司の主観的な意見として捉えられます。客観的に事実だけ話をしてしまうと批判と部下に捉えられることもあり、いい訳・批判返しして話してきますので、部下の気付きを閉塞させてしまいます。

3、提案

⇒部下の相談に対し、上司としての提案をします。その際「提案していいか?」と確認することが重要です。部下も一人で仕事が処理できるレベルですから、もう少し考えたいと思っている場合もあるでしょう。そんな中提案してしまうと、タダの押しつけとなってしまい部下の納得感が薄れてしまいます。

 

と言ったことがコーチング技法となります。

部下・後輩とコミュニケーションが上手に取れていない方への課題ヒントとなれば幸いです。